「志望動機・自己PRが1つの欄になっているが、どう書けばいいかわからない」
「そもそも自己PRはどういう構成で書くべきかわからない」
といった悩みを就活生からよく耳にします。
履歴書には自己PR欄の形式が複数あり、それぞれで適切な書き方や文字数配分が異なります。形式に合わない書き方をすると、せっかくのアピールが十分に伝わらないこともあります。
そこで今回は、元日系大手人事で、キャリアアドバイザーとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さんの知見をもとに、履歴書の自己PR欄における正しい構成・文字数を、欄のタイプ別に例文を交えて解説します。
履歴書の自己PR欄はそもそも何のためにある?
履歴書の自己PR欄は、「あなたらしさ」を企業にアピールするための項目です。企業はここから人柄・仕事への姿勢・社風とのマッチ度を読み取ろうとしています。
企業はなぜ履歴書の自己PR欄を見るのか?

企業が自己PR欄を見る主な理由は、応募者の人柄・仕事への姿勢・社風とのマッチ度を把握するためです。「その人らしさ」を知ることで、入社後のミスマッチを防ぐ意図があります。
企業が履歴書の自己PR欄を見る理由は、主に以下の3点を把握するためです。
人柄:応募者がどのような思考や行動パターンを持つ人物かを知るため
仕事への姿勢:業務に対してどのようなこだわりや取り組み方をするかを確認するため
社風とのマッチ度:自社の企業文化や価値観に合う人材かどうかを判断するため
成田さんは人事として年間数百本の書類を確認してきた立場から、「自己PR欄は、候補者の人柄を最もダイレクトに感じられる欄だ」と話します。採用担当者はこの欄を通じて、書かれた言葉の向こうにある「その人の仕事との向き合い方」を読み取ろうとしているといいます。
企業は自己PRの何を評価しているのか?

企業は自己PRを通じて、「強みの具体性」「成果の定量性」「構成の読みやすさ」の3点を評価しています。
企業が自己PR欄で見ているのは、単なるスキルの有無ではなく、書かれた内容の質です。具体的には以下の3点が評価のポイントになります。
強みの具体性:「コミュニケーション力がある」のような抽象的な表現ではなく、どのような場面でどう発揮したかまで書けているか
成果の定量性:「売上を伸ばした」ではなく「売上を30%向上させた」のように、数値や事実で裏付けられているか
構成の読みやすさ:結論ファーストで書かれ、限られたスペースで情報が整理されているか
元人事の成田さんは、人事として年間数百本の自己PRを読んできた経験から、「強みの内容そのものよりも、それをどれだけ具体的に・数字で裏付けて・端的に伝えられるかで、入社後のポテンシャルが伝わるかどうかが決まる」と話します。
ここまで企業が自己PR欄で「何を見ているか」を確認してきましたが、自己PRを書く場は履歴書だけではありません。次に、よく混同されるエントリーシート(ES)との違いを整理しておきましょう。
履歴書の自己PRとESの自己PRはどう違うのか?

履歴書の自己PRは150〜300字程度で強みを端的に伝える「エッセンス」であり、ESの300〜500字程度と比べて簡潔さが求められます。
履歴書とエントリーシート(ES)の自己PRには、以下のような違いがあります。
項目 | 履歴書 | エントリーシート(ES) |
|---|---|---|
文字数の目安 | 150〜300字程度 | 300〜500字程度 |
詳しさ | 強みを端的に伝える | 強みやエピソードをより詳細に記述できる |
主な役割 | 自己PRのエッセンスを伝える | 強みの背景や再現性まで深く伝える |
内容の中心 | 職務に関連した強みが中心 | 強み・経験・エピソードを広く説明できる |
履歴書の自己PRは「自己PRのエッセンス」として、最も重要なポイントに絞って記載することが求められます。
では、実際に履歴書の自己PR欄を書くにあたって、まず確認しておくべきことがあります。それは、自分が使う履歴書の「自己PR欄の形式」です。
履歴書の自己PR欄にはどのような形式・パターンがあるのか?

履歴書の自己PR欄は主に2パターンあり、どちらのタイプかによって書き方と文字数配分が変わります。まず自分が使う履歴書のタイプを確認することが出発点です。
パターン①:「志望動機・特技・好きな学科・自己PR(アピールポイント)など」が1つの欄にまとまっているタイプ
JIS規格の履歴書などで見られる形式で、志望動機・自己PR・特技などを1つの欄にまとめて記載するタイプの履歴書です。
パターン②:「自己PR」だけの独立した欄があるタイプ
自己PRのみを記入する独立した欄があるタイプです。パターン①に比べて記入スペースが広く、より詳細なアピールが可能です。
どちらのパターンかで書き方・文字数配分はどう変わるのか?
パターン①では志望動機・自己PR・特技を均等に配分して簡潔にまとめる構成力が求められ、パターン②では自己PRに文字数を集中させ、エピソードや入社後の展望まで盛り込んだ説得力のある構成が重要です。
項目 | パターン① | パターン② |
|---|---|---|
欄の特徴 | 志望動機・自己PR・特技などを1つの欄にまとめて書く | 自己PRだけを書く独立欄がある |
書き方のポイント | 複数要素を並列で簡潔にまとめる | 結論から始め、エピソードや入社後の展望まで盛り込む |
文字数配分の考え方 | 各項目のバランスを重視する | 自己PRに文字数を集中できる |
求められる力 | 構成力・要約力 | 具体性・説得力 |
成田さんはキャリアアドバイザーとして多くの就活生の履歴書を確認してきた経験から、「どちらのパターンかを確認せずに書き始める学生が多い。まずは自分の履歴書がどちらのタイプかを確認することが第一歩だ」と話します。
【パターン①】「志望動機・特技・好きな学科・自己PRなど」欄はどう書けば良いか?
パターン①では「各項目のバランス」と「内容の一貫性」が攻略の鍵です。限られたスペースを有効に使うために、構成と文字数配分を意識して書きます。
パターン①の構成と文字数は?

全体で数行から10行程度の枠が多く、志望動機150字・自己PR150字・特技20字程度を目安に配分します。志望動機は「結論→理由→結論の強調」、自己PRは「結論→行動→実績→仕事への活用」で組み立てるのが基本です。
全体で数行から10行程度の枠であることが多いため、以下の文字数配分を目安にバランスよく配置します。
志望動機:約150文字
自己PR:約150文字
特技・好きな学科:約20文字
文字数が限られているため、構造の整理が特に重要です。伝えたいポイントを絞り、見出しをつけるなどして整理すると、読みやすさが向上します。
■志望動機(150字程度)
150字程度で説得力を持たせるには、以下の構成を意識し、端的にまとめます。
結論(この企業を志望する理由を一言で)
この企業を選んだ理由(なぜこの企業か、他社比較含む)
結論の強調(改めて、なぜこの企業でなければならないのか)
■自己PR(150字程度)
自己PRも同様に、以下の流れで簡潔かつインパクトのある内容にします。
結論(強みを一言で)
行動(強みを活かしてどう取り組んだか)
実績(成果を数値や事実で裏付け)
仕事への活用(強みを企業でどう活かすか)
どのような困難に直面し、どう乗り越えたかというプロセスを示すと、成長性や人柄が伝わります。「改善した」「周囲を巻き込んだ」といった具体的な行動の事実を入れることがポイントです。
元人事の成田さんは、「採用担当者は書かれた強みよりも、その強みを裏付けるエピソードを重視している。150字という制約の中でもエピソードの片鱗を見せることが、次の面接につながる」と話します。
自己PRは本来「結論・背景・課題・行動・実績・仕事への活用」の6要素で構成されますが、パターン①では文字数が限られるため、背景と課題を省略し4要素に絞って書きます。6要素すべてを使ったフル構成はパターン②で解説します。
■特技or好きな学科(1行)
スペースが限られるため、箇条書きや短い一文で記載します。単語だけで終わらせず、具体性を1つ加えて印象に残るものにしましょう。
読書(月5冊、推理小説中心)
サッカー観戦(Jリーグを毎試合チェック)
単に「サークル活動」とするのではなく、具体的な役割や規模感を添えると、面接での会話のきっかけになります。
パターン①をうまく書くためのコツは何か?

志望動機と自己PRの分量バランスをそろえ、両者に一貫性を持たせ、項目ごとに改行して見やすく書くことがコツです。採用担当者がひと目で内容を把握できる形に整えましょう。
各項目のバランスを意識する
志望動機と自己PRは同程度の分量で記載しましょう。どちらかに偏ると、アピールのバランスが崩れてしまいます。特技は1行程度に収め、全体の8割以上を埋めることを意識してください。
志望動機と自己PRに関連性を持たせる
志望動機と自己PRに一貫性を持たせることで、説得力が増します。たとえば、志望動機で「顧客に寄り添った提案がしたい」と述べるなら、自己PRでもコミュニケーション力や傾聴力をアピールすると、ストーリーがつながります。
成田さんは人事として書類選考に携わっていた経験から、「志望動機と自己PRがバラバラな内容だと、採用担当者に『この人は何がしたいのかわからない』と思われてしまう。一貫したストーリーを作ることが大切だ」と指摘します。
項目ごとに改行し、見やすくレイアウトする
志望動機・自己PR・特技は項目ごとに改行し、視認性を高めましょう。【志望動機】【自己PR】【特技】のように見出しをつけると、採用担当者が内容をすぐに把握できます。
【パターン②】自己PRだけの欄はどう書けばいいのか?
自己PR専用の欄がある場合は、パターン①で省略した「背景」と「課題」を加えた6要素のフル構成で書くことが高評価につながります。より詳しいエピソードを盛り込み、具体的で印象に残る内容を目指します。
パターン②の構成と文字数は?

パターン②の自己PRは「結論・背景・課題・行動・実績・仕事への活用」の6要素で構成し、200〜300字程度を目安に欄の8割以上を埋めます。パターン①では文字数の制約から4要素に絞りましたが、パターン②ではスペースに余裕があるため、6要素すべてを使って説得力を高めます。
パターン②の自己PRは、以下の6つの要素で構成することをおすすめします。
結論:一言で、あなたの強みは何か?
背景:その強みをどのように培ったのか?
課題:強みを発揮したとき、どんな課題に直面していたのか?
行動:その課題に対して、強みを活かしてどう取り組んだのか?
実績:その成果はどんな数値や事実で裏付けられるのか?
仕事への活用:その強みを企業でどう活かし、貢献できるのか?
この流れで書くことで、論理的かつ説得力のある自己PRになります。文字数は200〜300字程度を目安に、欄の8割以上を埋めましょう。
成田さんはキャリアアドバイザーとして就活生の自己PRを添削してきた経験から、「6要素の流れを守るだけで、採用担当者が読みやすいと感じる文章になる。構成を意識するだけで伝わり方が大きく変わる」と話します。
パターン②をうまく書くためのコツは何か?

冒頭で強みが伝わる一文を置き、成果は数字で示し、その強みを入社後どう活かすかまで書くことがコツです。具体性と再現性まで伝えると印象に残りやすくなります。
限られた文字数で自分を印象づける表現を使う
限られた文字数で強みを効果的に伝えるには、冒頭にインパクトのある一文を置くことが重要です。キャッチフレーズを使ったり、Before→Afterで成果を示したりすると、採用担当者の印象に残りやすくなります。
定量的に書く
成果や実績は、具体的な数字を用いて表現しましょう。「売上を伸ばした」ではなく「売上を30%向上させた」、「多くの人をまとめた」ではなく「50人のチームを統率した」のように、定量的に書くことで説得力が増します。
成田さんは人事として選考に携わってきた経験から、「数字のない自己PRは"なんとなくよさそう"で終わってしまう。数字があるだけで、記憶に残る文章になる」と話します。
再現性を提示する
エピソードで発揮した強みが、入社後も再現できることを示しましょう。「この経験を通じて培った〇〇を、貴社の業務でも活かしたい」と締めくくることで、採用担当者が入社後の活躍をイメージしやすくなります。
【例文】履歴書の自己PR欄は具体的にどう書けばいいのか?
以下の例文を参考に、使う履歴書のパターンに合わせて自分の経験へ置き換えて書きましょう。丸写しではなく、強み・行動・成果を自分の体験に合わせて調整することが大切です。
【パターン①・例文】志望動機・自己PR・特技をまとめて書く例文

【志望動機】 ITの力で業務効率化を実現し、働く人の負担を減らしたいと考え、貴社を志望します。飲食店アルバイトでタブレット注文導入により業務が劇的に改善した経験から、システム導入の効果に感動しました。顧客に寄り添い、現場目線でのシステム開発を行う貴社で、利用者に喜ばれるエンジニアになりたいです。
【自己PR】 私の強みは「現状をより良くする提案力」です。アルバイト先のカフェで、写真付きのマニュアルを自主的に作成し、業務フローを統一しました。結果、新人の習得期間が1ヶ月から2週間に短縮されました。この課題発見力と行動力を活かし、貴社の業務でも貢献したいです。
【特技】 カフェ巡り(週に3店舗巡り、内装や接客の違いを研究しています)
【パターン②・例文】自己PRだけを書く例文

私の強みは「現状をより良くする提案力」です。アルバイト先のカフェでは、新人スタッフの教育に1ヶ月以上かかり、繁忙期の人手不足が課題でした。そこで私は、写真付きのマニュアルを自主的に作成し、業務フローを統一。さらに、先輩スタッフと協力してOJT体制を整備しました。その結果、新人の習得期間が2週間に短縮され、繁忙期も安定した運営ができるようになりました。この課題発見力と周囲を巻き込んで改善を進める力を活かし、貴社でも業務改善や効率化に貢献したいと考えています。
例文はそのまま使うのではなく、自分の経験・強み・成果に置き換えてください。構成の型を参考にしつつ、自分だけのエピソードを盛り込むことが差別化のポイントです。
ここまでで書き方の基本は押さえましたが、実際に書く段階でありがちな「もったいないミス」も知っておくと安心です。
履歴書の自己PR欄を書くときに注意すべき点は何か?

自己PR欄を書く際は、「第三者への添削依頼」「結論ファースト」「強みを1つに絞る」「求める人物像に合わせる」「8割以上を埋めつつ枠からはみ出さない」の5点に注意しましょう。
成田さんがキャリアアドバイザーとして就活生の自己PRをレビューする中で、「惜しい自己PRには共通のパターンがある」と言います。以下の5点は特に注意が必要なポイントです。
第三者に添削してもらう:自己PRは客観的な視点でチェックしてもらうことが重要です。友人や家族、エージェントなどに読んでもらい、わかりにくい点や改善点を指摘してもらいましょう。第三者の意見を取り入れることで、より説得力のある自己PRに仕上がります。
結論ファーストで書く:自己PRは「私の強みは〇〇です」と、冒頭で結論を述べるのが基本です。結論を先に伝えることで、採用担当者が内容を把握しやすくなり、続くエピソードの理解度も高まります。
強みは1つに絞る:アピールしたい強みは1つに絞りましょう。複数の強みを挙げると、かえって印象がぼやけてしまいます。限られたスペースで最大限のアピールをするために、最も企業に響く強みを選んで深掘りすることが大切です。
求める人物像に合わせたPRをする:企業の求める人物像をリサーチし、それに合った強みをアピールしましょう。たとえば、チームワークを重視する企業には協調性を、主体性を求める企業には行動力をアピールするなど、企業のニーズに合わせた自己PRが効果的です。
最低8割以上は埋めつつ、枠からはみ出さない:自己PR欄は最低でも8割以上を埋めましょう。空白が目立つと「意欲がない」と思われる可能性があります。ただし、枠からはみ出すのはNGです。適切な文字数で、読みやすくまとめることが大切です。
まとめ
履歴書の自己PR欄は、まず自分が使う履歴書がパターン①(志望動機・自己PRなどが1つの欄)かパターン②(自己PRだけの独立欄)かを確認し、それぞれに合った構成・文字数で書くことが大切です。パターン①なら4要素に絞って簡潔にまとめ、パターン②なら6要素のフル構成で具体的なエピソードまで盛り込みましょう。どちらの場合も、結論ファーストで強みを端的に示し、具体的なエピソードと数字で裏付けることで、採用担当者に伝わる自己PRになります。
書き方の構成を理解しても、実際に書いてみると「これで本当に伝わるのか」「強みの選び方は合っているのか」と迷うことは少なくありません。自己PRは第三者に見てもらうことで完成度が大きく変わるため、一人で悩むなら就活のプロに相談してみるのがおすすめです。
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よくある質問
成田さんがキャリアアドバイザーをしている際によく聞かれる質問や、学生へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。
書き出しはどう書けばいいか?
「私の強みは〇〇です」と結論から述べるのが基本です。冒頭で強みを明示することで、採用担当者がすぐに内容を把握できます。
書き出しに迷ったら、エージェントに相談すれば、業界事情に詳しいアドバイザーから具体的なアドバイスが得られます。
締めくくりはどう書けばいいか?
「この経験で培った〇〇を活かし、貴社の△△に貢献したいです」のように、入社後のビジョンで締めくくるのが効果的です。強みと志望企業をつなげることで、採用担当者に入社後の活躍をイメージしてもらえます。
締め方に自信がない場合は、就活のプロに添削してもらうと安心です。
面接で深掘りされたらどう答えればいいか?
履歴書に書いた内容について、「なぜそう考えたのか」「どんな困難があったか」「何を学んだか」を説明できるよう準備しておきましょう。自己PRのエピソードは面接で深掘りされる前提で、背景や過程まで整理しておくことが大切です。
実践的な練習がしたいなら、エージェントに模擬面接をお願いするのも効果的です。
自己PRが思いつかない場合はどうするか?
まず自己分析から始めましょう。頑張ったこと、成果を上げたこと、褒められたことを書き出してみてください。友人や家族に強みを聞くのも効果的です。
それでも自分の強みがうまく言語化できない場合は、就活のプロに相談するのも一つの手です。エージェントに話を聞いてもらうことで、自分では「当たり前」と思っていた経験が強みとして整理できるケースも多くあります。
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