OB・OG訪問では何を質問する?元人事が目的別の質問例と深掘りのコツを解説

OBOG訪問

OBOG訪問

OBOG訪問

OB・OG訪問では何を質問する?元人事が目的別の質問例と深掘りのコツを解説

「OB・OG訪問では何を質問すればいい?」

「質問リストを作ったけれど、これで企業研究になるのか分からない」

「失礼にならずに、働き方や社風について聞くにはどうすればいい?」

OB・OG訪問を前に、このように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

インターネットで検索すると、

「仕事内容を教えてください」

「やりがいは何ですか?」

「社風を教えてください」

など、多くの質問例が出てきます。

しかし、OB・OG訪問で大切なのは、質問をたくさん用意することではありません。

重要なのは、

「自分は何を知りたいのか」

「それを知るためには何を聞けばいいのか」

「聞いた回答をどう深掘りするのか」

まで考えることです。

元日系大手企業の人事で、キャリアアドバイザーとして延べ3,000名以上の学生と接してきた成田さんも、OB・OG訪問では、質問数よりも**「その回答によって自分の企業選びや志望動機が一歩進むか」**を重視しています。

例えば、

「社風を教えてください」

と聞くだけでは、「風通しが良いです」「若手も活躍しています」といった抽象的な回答になりやすいでしょう。

一方、

「若手でも意見を言いやすい環境か確かめたい」

のであれば、

「若手社員が会議で意見を出したり、提案したりするのはどのような場面ですか?」

と聞けます。

さらに、

「実際に〇〇さんが入社1〜2年目の頃に提案した経験はありますか?」

と深掘りすれば、働く環境をより具体的にイメージできます。

本記事では単なる質問リストではなく、**「何を知りたいときに、どんな質問をすればよいのか」**という目的別に、OB・OG訪問の質問例を紹介します。

OB・OG訪問そのものの目的や活かし方から知りたい人は、以下の記事も確認してください。
【関連記事:OB・OG訪問とは?目的・役立つ時期から、やり方と就活への生かし方まで

OB・OGの探し方や依頼から当日までの流れはこちらです。
【関連記事:OB・OG訪問のやり方は?元人事が相手の探し方から当日・訪問後まで解説

OB・OG訪問では「質問リスト」より先に目的を決める

OB・OG訪問の質問を考えるときに、いきなり、

「おすすめ質問50選」

などから選び始める必要はありません。

最初に考えてほしいのは、

「今回のOB・OG訪問が終わったときに、何が分かっていたら自分は次の判断ができるのか」

です。

例えば、

「この企業を受けるか判断したい」

のであれば、さらに、

「判断するために今何が分からない?」

と考えます。

すると、

  • 実際の仕事内容が分からない

  • 営業の働き方が自分に合うか分からない

  • 若手がどれくらい仕事を任されるのか分からない

  • 社員同士がどう関わっているのか分からない

などの疑問が出てきます。

そこで初めて、質問に変換します。

例えば、

知りたいこと:若手の仕事内容

質問:入社1〜3年目では、具体的にどのような仕事を担当することが多いですか?

という流れです。

成田さんなら「聞きたいこと」ではなく「決めたいこと」から逆算する

成田さんがこれまで学生と接してきた中でも、

「何を質問すればいいですか?」

という相談は少なくありません。

そのときに重要なのは、すぐ質問例を渡すことではなく、

「その質問の答えを聞いて、何を判断したいの?」

と考えることです。

例えば、

「残業時間を聞きたい」

という場合も、

なぜ残業時間を知りたいのでしょうか。

「忙しい会社を避けたい」だけなのか、

「仕事と資格勉強を両立したい」のか、

「繁忙期と通常期で働き方がどう変わるか知りたい」のか

によって、本当に聞くべき質問は変わります。

質問を考えるときは、

自分が決めたいこと

まだ分からないこと

確認したいこと

質問

という順番で整理しましょう。

OB・OG訪問で質問したい7つのテーマ

OB・OG訪問で確認したい内容は、大きく以下の7つに分けられます。

  1. 実際の仕事内容を知りたい

  2. 企業・事業の強みを知りたい

  3. 社風・人間関係を知りたい

  4. 若手の成長環境・キャリアを知りたい

  5. 働き方を知りたい

  6. 自分に合う企業か判断したい

  7. 志望動機・選考対策につながる情報を知りたい

ここからは、単に質問を並べるのではなく、

「何を知りたいのか」→「なぜ聞くのか」→「質問例」→「深掘り」

という順番で解説します。

【目的①】実際の仕事内容を知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

企業サイトや採用サイトを見ても、

「法人営業」

「課題解決型営業」

「企画職」

「コンサルティング」

など、職種名だけでは実際に何をするのかイメージできないことがあります。

そこでOB・OG訪問では、

「その職種で毎日どんな行動をしているのか」

を具体化します。

質問例

  • 現在はどのような仕事を担当されていますか?

  • 1日の仕事の流れを教えていただけますか?

  • 1週間の中では、どのような業務に最も時間を使っていますか?

  • 入社1〜3年目ではどのような仕事を任されることが多いですか?

  • 顧客とは普段どのような形で関わっていますか?

  • 社内ではどの部署と一緒に仕事をすることが多いですか?

  • 仕事で特に難しいと感じるのはどのような場面ですか?

  • 仕事をしていて面白いと感じるのはどのような瞬間ですか?

成田さんなら「仕事内容を教えてください」で終わらせない

例えば、

「営業の仕事内容を教えてください」

と質問すると、

「お客様へ提案しています」

という回答で終わる可能性があります。

そこで、

「提案する前には、どのように顧客の課題を把握するのでしょうか?」

「提案内容は一人で考えるのでしょうか。それとも社内の方と相談して作りますか?」

「若手社員の場合、どの部分まで自分で担当しますか?」

と深掘りします。

すると、

営業=商品を売る仕事

という漠然とした理解から、

顧客への聞き取り → 課題整理 → 社内調整 → 提案 → 導入後のフォロー

など、具体的な仕事として理解できるようになります。

企業選びでは、職種名ではなく、実際に自分が毎日行うことに興味を持てるかを確認しましょう。

【目的②】企業・事業の強みを知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

志望動機を考えるために、

「この会社は競合と何が違うの?」

を知りたい人も多いでしょう。

ただし、

「御社の強みは何ですか?」

だけでは、採用サイトと似た回答になる可能性があります。

OB・OG訪問だからこそ、

実際の仕事の中で、その強みがどのように表れているのか

を聞いてみましょう。

質問例

  • 実際に働く中で、競合企業との違いを感じるのはどのような場面ですか?

  • 顧客から御社が選ばれる理由は何だと感じていますか?

  • 御社の商品・サービスの強みを実感した具体的な経験はありますか?

  • 一方で、現場で感じる課題はありますか?

  • 今後さらに強化する必要があると感じる部分はありますか?

  • 競合と比較したとき、御社だからできる仕事はどのようなものだと思いますか?

企業サイトの情報に「仮説」を加えて聞く

おすすめなのは、

調べた情報+自分の仮説+質問

という形です。

例えば、

「採用サイトで、御社は顧客ごとの個別提案を強みにしていると拝見しました。実際の営業でも提案内容を顧客ごとに変えることが多いのでしょうか?」

と聞きます。

これなら、

「御社の強みは何ですか?」

より具体的な話を引き出しやすくなります。

成田さんの経験を踏まえても、志望動機を深めるために必要なのは企業情報をたくさん集めることではありません。

「企業の特徴が、実際の仕事でどう表れているのか」

まで理解することが重要です。

【目的③】社風・人間関係を知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

就活では、

「社風が合う会社に入りたい」

「風通しの良い会社がいい」

と考える人も多いでしょう。

しかし、

「御社の社風を教えてください」

と聞くと、

「風通しが良いです」

「社員同士の仲が良いです」

という抽象的な回答になりがちです。

そこで、

社風という言葉を、具体的な社員の行動へ分解して質問する

ことが重要です。

「意見を言いやすい環境か」知りたいなら

  • 若手社員が会議で意見を出すことはありますか?

  • 若手の提案が実際に採用された経験はありますか?

  • 上司と意見が異なる場合、どのように議論することが多いですか?

「相談しやすい環境か」知りたいなら

  • 仕事で困ったときは、普段どのような人に相談しますか?

  • 上司や先輩とはどのくらいの頻度で話しますか?

  • 入社1年目の頃、分からないことはどのように相談していましたか?

「チームで働く会社か」知りたいなら

  • 一人で完結する仕事と、チームで進める仕事ではどちらが多いですか?

  • チーム内ではどのように役割を分担していますか?

  • 他部署と協力するのはどのような場面ですか?

成田さんなら「社風」ではなく行動を見る

成田さんが学生の企業選びで注意してほしいと考えているのが、

抽象的な言葉だけで会社を判断しないこと

です。

「風通しが良い」

「アットホーム」

「若手が活躍している」

という言葉の意味は、人によって異なります。

例えば「風通しが良い」を知りたいのであれば、

「若手が上司へ意見を言った具体的な場面」

まで聞きましょう。

そうすることで、自分が求めている環境と本当に近いのかを判断しやすくなります。

【目的④】若手の成長環境・キャリアを知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

「若手から成長できる会社に入りたい」

という学生も多いですが、「成長できる」の意味も人によって異なります。

例えば、

  • 早く仕事を任されたい

  • 専門性を身につけたい

  • 幅広い仕事を経験したい

  • 上司からフィードバックを受けたい

  • 将来マネジメントをしたい

では、確認すべきことが違います。

「若手から仕事を任されたい」なら

  • 入社1〜3年目ではどのような仕事を任されますか?

  • 初めて一人で担当した仕事は何でしたか?

  • どのような状態になれば仕事を任せてもらえるのでしょうか?

  • 若手社員で活躍している方にはどのような共通点がありますか?

「教育・サポートを知りたい」なら

  • 入社後はどのように仕事を覚えていきましたか?

  • 上司や先輩からどのようなフィードバックを受けますか?

  • 仕事で失敗したとき、周囲からどのようなサポートがありましたか?

  • 若手社員同士で相談する機会はありますか?

「将来のキャリアを知りたい」なら

  • 入社してから現在まで、どのような仕事を経験されましたか?

  • 配属後のキャリアにはどのような選択肢がありますか?

  • 周囲にはどのようなキャリアを歩んでいる方がいますか?

  • 今後挑戦したい仕事やポジションはありますか?

成田さんなら「成長できますか?」とは聞かない

「御社では成長できますか?」

と聞けば、多くの場合「成長できます」という回答になります。

そこで、

自分にとっての成長とは何か

を先に決めましょう。

例えば、

「20代のうちに顧客への提案を一人で担当できるようになりたい」

のであれば、

「若手社員が顧客を一人で担当するようになるまで、どのような仕事を経験しますか?」

と聞けます。

「成長できる会社か」ではなく、自分が身につけたい経験を得られる環境かを確認しましょう。

【目的⑤】働き方を知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

仕事内容だけでなく、

  • 忙しさ

  • 有給休暇

  • リモートワーク

  • 出社頻度

  • 繁忙期

  • プライベートとの両立

などを確認したい人もいるでしょう。

こうした質問をすること自体は問題ありません。

ただし、

「残業ありますか?」

「休み取れますか?」

と聞くだけでは、実態を理解しづらい場合があります。

「忙しさを知りたい」なら

  • 普段は何時ごろ仕事を始め、何時ごろ終えることが多いですか?

  • 繁忙期と通常期では働き方にどのような違いがありますか?

  • どのような時期・仕事で忙しくなることが多いですか?

  • 忙しい時期には、チーム内でどのように仕事を分担していますか?

「休暇の取りやすさを知りたい」なら

  • 有給休暇はどのようなタイミングで取る方が多いですか?

  • 長期休暇を取得する社員もいますか?

  • 休暇を取る際、チーム内ではどのように仕事を調整していますか?

「リモートワークの実態を知りたい」なら

  • 現在は出社とリモートワークをどのように使い分けていますか?

  • リモートの日と出社の日で仕事内容に違いはありますか?

  • 若手社員の場合、出社することが多いのでしょうか?

制度の「有無」ではなく「使われ方」を聞く

例えば、

「リモートワーク制度はありますか?」

という質問は、企業サイトで確認できる場合があります。

OB・OG訪問では、

「制度が現場でどう使われているのか」

まで聞きましょう。

同じ制度があっても、部署や仕事内容によって利用実態が異なる可能性があります。

また、社員一人の働き方を会社全体だと判断せず、

「〇〇さんの部署ではどうですか?」

という聞き方をするのがおすすめです。

【目的⑥】自分に合う企業か判断したいときは何を質問する?

知りたいこと

OB・OG訪問の大きな目的の一つが、

「この会社で自分が働く姿をイメージできるか」

を確認することです。

そのためには、企業について聞くだけでなく、自分の価値観と照らし合わせる必要があります。

「自分の強みを活かせるか」確認したいなら

例えば、

「自分は相手の話を聞きながら課題を整理することが得意」

だとします。

その場合、

「営業では、お客様の課題を聞き出す力はどのような場面で必要になりますか?」

「活躍している営業社員には、相手の話を聞くことが得意な方も多いですか?」

などと聞けます。

「自分の働き方の価値観と合うか」確認したいなら

例えば、

「個人競争より、チームで協力して成果を出したい」

のであれば、

「個人目標とチーム目標では、どちらを意識することが多いですか?」

「成果を出すために、社員同士で協力するのはどのような場面ですか?」

と聞けます。

自分の情報を少し伝えてから質問する

成田さんがおすすめするのは、企業について一方的に質問するだけではなく、

自分の経験や価値観を少し伝えたうえで質問すること

です。

例えば、

「私はアルバイトで、個人で成果を競うよりもメンバー同士で相談しながら改善する環境にやりがいを感じてきました。〇〇さんの部署では、社員同士で協力するのはどのような場面が多いでしょうか?」

と聞きます。

こうするとOB・OG側も、

「この学生は何を知りたいのか」

が分かるため、より自分に合った回答をしてもらいやすくなります。

【目的⑦】志望動機・選考対策につながる情報を知りたいときは何を質問する?

知りたいこと

OB・OG訪問を、志望動機や面接対策に活用したい人も多いでしょう。

ただし、

「御社に受かる志望動機を教えてください」

と聞くのはおすすめしません。

志望動機の正解をOB・OGからもらうのではなく、自分自身の志望理由を深めるための情報を集めます。

志望動機を深めたいなら

  • 〇〇さんがこの会社へ入社を決めた理由は何ですか?

  • 入社前に魅力を感じていた点と、入社後に魅力を感じている点に違いはありますか?

  • 実際に働いて初めて分かった、この会社ならではの特徴はありますか?

  • 競合企業ではなく、この会社だからこそできる仕事は何だと思いますか?

  • 仕事をする中で、会社の理念や価値観を感じた具体的な経験はありますか?

面接対策につなげたいなら

  • 〇〇さんが一緒に働きたいと思う若手社員はどのような人ですか?

  • 現在活躍している若手社員にはどのような共通点がありますか?

  • 入社前に身につけておけばよかったと思うことはありますか?

  • 仕事をするうえで特に必要だと感じる力は何ですか?

「選考の答え」を聞くのではなく仕事理解を深める

成田さんの経験を踏まえても、

「面接では何を言えば受かりますか?」

と聞くより、

「実際に活躍している人はどんな行動をしているか」

を聞く方が有益です。

例えば、

「主体性がある人が活躍しています」

と言われたら、

「〇〇さんが『この人は主体性がある』と感じた若手社員の具体的な行動を教えていただけますか?」

と深掘りします。

すると、

「自分にも似た経験があるか」

「自分の強みとその会社で求められる行動がつながるか」

を考えられるようになります。

OB・OG訪問で深い回答を引き出す質問のコツは?

質問内容と同じくらい重要なのが、回答をどう深掘りするかです。

特に意識したいのは以下の4つです。

  1. 「具体的には?」と聞く

  2. 「なぜ?」と理由を聞く

  3. 「例えば?」とエピソードを聞く

  4. 自分の仮説と比較する

「具体的には?」で抽象語を行動に変える

例えば、

OB・OG:
「若手でも裁量があります」

学生:
「具体的には、入社1〜2年目でどのような仕事を任されるのでしょうか?」

と聞きます。

「裁量」「成長」「風通し」「挑戦」などの抽象語が出てきたら、具体的な行動に変換することを意識しましょう。

「なぜ?」で背景を理解する

例えば、

OB・OG:
「この会社を選んだ理由は、人でした」

と答えた場合、

「どのような社員の方との出会いから、そう感じたのでしょうか?」

「他社と比べて、どの部分に違いを感じましたか?」

と聞きます。

「人が良い」という言葉の背景まで知ることで、企業理解が深まります。

「例えば?」で具体的な経験を聞く

例えば、

「上司には相談しやすいです」

と言われたら、

「最近、実際に上司へ相談したのはどのような場面でしたか?」

と聞きます。

社員本人の経験を聞くことで、より実態をイメージしやすくなります。

自分の仮説と違ったら、その理由を聞く

事前の企業研究で、

「この会社は個人で成果を出す文化なのでは?」

と予想していたとします。

しかし社員から、

「かなりチームで仕事をします」

と言われたら、

「私は個人で成果を追う場面が多いのではと想像していました。実際には、どのような仕事をチームで進めるのでしょうか?」

と聞きます。

予想と違った回答こそ、OB・OG訪問で得られる価値のある情報です。

OB・OG訪問では「はい・いいえ」で終わる質問を減らす

例えば、

「若手は活躍できますか?」

では、

「はい、できます」

で終わる可能性があります。

そこで、

「若手で活躍している方は、どのような仕事を任されていますか?」

と変えます。

同じように、

NG:有給は取れますか?

改善:周囲の方は、どのようなタイミングで有給を取得していますか?

NG:風通しは良いですか?

改善:若手社員が上司へ意見を出すのは、どのような場面がありますか?

NG:成長できますか?

改善:入社1〜3年目で、どのような経験を通じて成長したと感じましたか?

と変えられます。

「できますか?」

より、

「どのように」「どんな場面で」「具体的には」

を使うことを意識しましょう。

成田さんなら質問は「事実→経験→価値観」の順番で深掘りする

いきなり、

「仕事で大切にしている価値観を教えてください」

と聞くよりも、まず答えやすい仕事内容から始めた方が会話を進めやすくなります。

例えば、

①事実を聞く

「現在はどのような顧客を担当されていますか?」

②経験を聞く

「最近特に印象に残っている提案はありますか?」

③考えを聞く

「その提案で特に意識したことは何ですか?」

④価値観を聞く

「そうした経験を踏まえて、営業として最も大切にしていることは何ですか?」

という順番です。

成田さんの経験を踏まえると、OB・OG訪問は質問票への回答をもらう場ではなく、社会人との対話を通じて仕事への理解を深める場です。

相手の回答を受けながら、質問を変えていきましょう。

OB・OG訪問では質問を何個用意すればいい?

質問数に絶対的な正解はありません。

重要なのは、

「絶対に聞きたい質問」と「時間があれば聞きたい質問」を分けること

です。

例えば30分の訪問なら、

絶対に聞きたい

  1. 若手の仕事内容

  2. 仕事で難しいこと

  3. 自分が気になっている企業の特徴

時間があれば聞きたい

  1. キャリア

  2. 入社理由

  3. 働き方

  4. 就活当時の企業選び

などと整理します。

成田さんの考えでも、

「用意した質問を全部聞けたか」より、「一番知りたかったことが分かったか」

の方が重要です。

一つの質問を10分深掘りした結果、3問しか聞けなかったとしても、その3問で企業選びが進んだのであれば有意義なOB・OG訪問です。

OB・OG訪問で避けた方がいいNG質問は?

質問してはいけないテーマが一律に決まっているわけではありません。

ただし、以下のような質問には注意しましょう。

調べれば分かることだけを質問する

例えば、

「御社は何をしている会社ですか?」

「企業理念を教えてください」

などは、公式サイトを見れば確認できる可能性があります。

OB・OG訪問では、

「公式サイトでは〇〇と拝見しましたが、実際の仕事ではどのように表れていますか?」

と一歩進めましょう。

質問の意図が分からない

例えば、

「御社についてどう思いますか?」

だけでは範囲が広すぎます。

「入社前後のギャップを知りたいので、入社前に想像していた環境と実際に違った点があれば教えてください」

など、確認したいことを明確にしましょう。

ネガティブな聞き方だけをする

「残業多いですよね?」

「離職率高いですよね?」

など、最初から答えを決めつける質問は避けます。

働き方を知りたいなら、

「繁忙期と通常期で働き方はどのように変わりますか?」

など、中立的な聞き方にしましょう。

社員が答えられないことを求める

例えば、

  • 非公開の選考情報

  • 他の応募者の個人情報

  • 社外秘の事業情報

  • 正式発表されていない人事情報

などは、OB・OG個人が答えられない場合があります。

無理に聞くことは避けましょう。

「受かる答え」を直接聞く

「面接では何と言えば受かりますか?」

「志望動機の正解を教えてください」

という質問もおすすめしません。

代わりに、

「実際に働く中で、活躍している若手社員にはどのような共通点がありますか?」

と聞き、自分の経験と照らし合わせましょう。

給与・残業・福利厚生について質問してもいい?

質問すること自体に問題はありません。

自分が企業を選ぶために重要なのであれば、確認すべき情報です。

ただし、制度として決まっている数字については、まず採用サイトなどの公式情報を確認しましょう。

そのうえでOB・OGには、

「実際にはどう使われているのか」

を聞きます。

例えば、

「有給休暇は年間〇日と拝見しました。〇〇さんの部署では、どのようなタイミングで取得する方が多いですか?」

「フレックスタイム制度があると拝見しましたが、実際にはどのような使い方をされていますか?」

という形です。

また、待遇・制度の正式な内容については、OB・OG個人の認識だけで最終判断せず、人事や公式情報でも確認しましょう。

OB・OG訪問の質問は事前に送った方がいい?

必須ではありませんが、

  • 専門的な内容を聞きたい

  • 聞きたいテーマが明確

  • 限られた時間を効率的に使いたい

場合は、事前に共有する方法があります。

ただし、質問を大量に送る必要はありません。

例えば、

「当日は、主に以下の3点について伺えればと考えております。

・若手営業社員の仕事内容
・顧客への提案の進め方
・若手社員の育成環境」

程度でも十分です。

相手も当日話す内容をイメージしやすくなります。

質問を送る際のメールや前日確認メールについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事:OB・OG訪問のメールの書き方は?元人事が依頼・日程調整・お礼まで例文つきで解説

OB・OG訪問中は何をメモすればいい?

すべての発言を書き取る必要はありません。

特に残しておきたいのは、

  • 初めて知った事実

  • 数字

  • 具体的なエピソード

  • 自分が魅力を感じたこと

  • 想像と違ったこと

  • さらに確認したいこと

です。

成田さんがおすすめするのは、

「相手が言ったこと」と「自分が感じたこと」を分けて記録すること

です。

例えば、

社員の話
入社2年目から一人で顧客を担当した

自分の感想
思っていたより早い。自分は早く任される環境に魅力を感じる

という形です。

この「自分の感想」が、企業選びや志望動機につながります。

OB・OG訪問で聞いた回答はどう活用する?

OB・OG訪問は、質問して終わりではありません。

聞いた内容を、

  • 企業研究

  • 自己分析

  • 志望動機

  • ES

  • 面接

  • 企業比較

に使います。

例えば、

聞いたこと
「営業では、顧客から言われた要望をそのまま受け取るのではなく、背景にある課題まで聞く」

自分の経験
「アルバイトでも、お客様からの要望だけでなく、なぜ困っているのかを聞いて対応することにやりがいを感じた」

志望理由
「顧客の要望の背景まで理解して提案する仕事に魅力を感じる」

というようにつなげられます。

成田さんが志望動機を見る際にも、

企業の特徴と本人の経験がつながっているか

は重要なポイントです。

OB・OGから聞いた言葉をそのまま使うのではなく、

「なぜ自分はその話に魅力を感じたのか」

まで考えましょう。

OB・OG訪問の質問を作るときのチェックリスト

質問を作ったら、以下を確認してみましょう。

  • 今回の訪問で何を判断したいか決まっているか

  • その質問をする目的を自分で説明できるか

  • 企業サイトを見れば分かる内容だけになっていないか

  • 「はい・いいえ」で終わる質問ばかりになっていないか

  • 具体的な経験を聞ける質問になっているか

  • 自分の仮説を入れられる質問があるか

  • 相手の職種・年次に合った質問になっているか

  • 絶対に聞きたい質問を決めているか

  • 回答を聞いた後の深掘り質問を考えているか

  • 聞いた情報を何に使うか決めているか

特に重要なのは、

「この質問の答えを聞いたら、自分の何が決まる?」

と自分自身に問いかけることです。

答えが思いつかない質問は、本当に今聞く必要があるのか考えてみましょう。

よくある質問

OB・OG訪問では何を質問すればいい?

仕事内容、企業・事業の特徴、社風、成長環境、キャリア、働き方などが代表的です。

ただし、質問リストから適当に選ぶのではなく、

「自分は何を知って、何を判断したいのか」

から逆算して質問を作ることが重要です。

OB・OG訪問で絶対に聞くべき質問はある?

全員に共通して「絶対にこの質問をするべき」というものはありません。

自分の訪問目的によって変わります。

例えば仕事内容を知りたいなら、

「入社1〜3年目ではどのような仕事を担当しますか?」

志望動機を深めたいなら、

「実際に働く中で、この会社ならではだと感じる部分はありますか?」

などが候補になります。

OB・OG訪問では質問を何個くらい準備する?

質問数そのものより、優先順位をつけることが重要です。

「絶対に聞きたい質問」と「時間があれば聞きたい質問」に分け、一つの回答を十分深掘りできるようにしましょう。

OB・OG訪問で社風はどう聞けばいい?

「社風を教えてください」だけではなく、自分が知りたい社風を具体化しましょう。

例えば「若手が意見を言いやすいか」を知りたいなら、

「若手社員が会議などで意見を出すのはどのような場面ですか?」

と質問します。

OB・OG訪問で残業について聞いてもいい?

問題ありません。

ただし、

「残業多いですよね?」

と決めつけるのではなく、

「通常期と繁忙期では、1日の働き方はどのように変わりますか?」

など、働き方の実態を確認する質問にするとよいでしょう。

OB・OG訪問で年収を聞いてもいい?

待遇を確認すること自体は問題ありませんが、社員個人の年収はプライベートな情報でもあります。

給与制度など公式に確認できる内容は先に調べ、必要であれば人事など正式な窓口で確認するのがおすすめです。

OB・OG訪問で選考について聞いてもいい?

聞いて問題ありません。

ただし、

「どうすれば受かりますか?」

ではなく、

「実際に働く中で、活躍している若手社員にはどのような共通点がありますか?」

など、企業が求める行動や仕事への理解につながる質問がおすすめです。

OB・OG訪問で質問が途中でなくなったらどうする?

相手が話した内容を深掘りしてみましょう。

「具体的には?」

「なぜですか?」

「例えばどんな経験がありますか?」

と質問すると、会話を広げられます。

また最後に、

「私が企業研究をするうえで、ほかに確認しておいた方がよいことはありますか?」

と聞く方法もあります。

OB・OG訪問の質問はメールで送ってもいい?

問題ありません。

特に聞きたいテーマが明確な場合は、事前に共有しておくことで相手も準備しやすくなります。

ただし、質問を大量に送るのではなく、主要なテーマを数個程度にまとめるとよいでしょう。

まとめ

OB・OG訪問では、質問リストをたくさん用意することより、

「何を知りたいのか」から質問を作ること

が重要です。

基本的には、

自分が決めたいこと

まだ分からないこと

確認したいこと

質問する

回答を深掘りする

企業選びや志望動機に活かす

という順番で考えましょう。

例えば、

若手が働きやすい会社か知りたい

のであれば、

「若手は働きやすいですか?」

ではなく、

「入社1〜2年目の社員が仕事で困ったとき、普段どのように先輩や上司へ相談していますか?」

と聞きます。

成長環境を知りたい

のであれば、

「成長できますか?」

ではなく、

「入社してから現在までで、自分が最も成長したと感じる仕事は何でしたか?」

と聞きます。

社風を知りたい

のであれば、

「風通しは良いですか?」

ではなく、

「若手社員から提案や意見が出たとき、実際にはどのように扱われますか?」

と聞きます。

成田さんが人事・キャリアアドバイザーとして学生と接してきた経験からも、OB・OG訪問で重要なのは、

「良い質問をしたように見せること」ではありません。

大切なのは、

社員の経験を聞き、自分がその会社で働く姿を具体的に想像できるようになること

です。

そして聞いた情報を、

「自分は魅力を感じるのか」

「自分の経験や価値観と合っているのか」

「この企業を受けたいと思うのか」

という自分自身の判断につなげましょう。

OB・OG訪問の相手探しから当日・訪問後までの流れはこちらで詳しく解説しています。
【関連記事:OB・OG訪問のやり方は?元人事が相手の探し方から当日・訪問後まで解説

質問内容を事前に共有するときや、訪問後のお礼メールについてはこちらです。
【関連記事:OB・OG訪問のメールの書き方は?元人事が依頼・日程調整・お礼まで例文つきで解説

OB・OG訪問そのものの目的や、企業選び・志望動機への活かし方から確認したい人はこちらです。
【関連記事:OB・OG訪問とは?目的・役立つ時期から、やり方と就活への生かし方まで

成田 駿
監修成田 駿元日系大手人事/就活サポーター

自身の就活では大手広告代理店など日系大手企業から内定を複数獲得し、経営幹部候補としてのキャリアが用意された一社に入社。その後、最年少で部長に就任し新卒採用に5年以上従事。採用戦略の設計からイベント企画・選考フロー構築・入社後研修まで幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。キャリアアドバイザーとしても累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定輩出実績を持つ。

成田 駿
監修成田 駿元日系大手人事/就活サポーター

自身の就活では大手広告代理店など日系大手企業から内定を複数獲得し、経営幹部候補としてのキャリアが用意された一社に入社。その後、最年少で部長に就任し新卒採用に5年以上従事。採用戦略の設計からイベント企画・選考フロー構築・入社後研修まで幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。キャリアアドバイザーとしても累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定輩出実績を持つ。

成田 駿
監修成田 駿元日系大手人事/就活サポーター

自身の就活では大手広告代理店など日系大手企業から内定を複数獲得し、経営幹部候補としてのキャリアが用意された一社に入社。その後、最年少で部長に就任し新卒採用に5年以上従事。採用戦略の設計からイベント企画・選考フロー構築・入社後研修まで幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。キャリアアドバイザーとしても累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定輩出実績を持つ。

Arrow Icon